静寂が街を駆け抜けていく
ハイウェイをぬうように
騒音の中を 身を隠すように
おいていかれたくないと
必死に そのひとつに飛び込もうとする
たとえその静寂が孤独だと知っていても
ここはうるさすぎるから
一度あのゆりかごに乗ってしまえば
そのまま慣性力にまかせて
世界の果てからその外側へ
放り出されることだろう
何もないということだけがあるところを通って
生まれきた場所へまた還ればいい
静寂が またひとつ駆け抜けていく
2011/03/02