2011年1月30日日曜日

電車

電車の窓から 外を眺める

夕焼け空の その後の

ちょっとだけあか

染みるように群青あおい 西の空

このままずっと電車に乗って

あの空を追いかけたら

永遠に終わることのない

昼に あしたに いられるだろうか

走り出したい衝動は

明日の太陽に聞いてもらおう

一番星と微笑みあって

僕は電車を降りることにする


2011/1/29

2011年1月20日木曜日

Lacey

ヘッドホンを握りしめて 頭を振る

ヘヴィなロックの刻む6拍子に

こらえきれずに 私は踊りだす

渇いた心を満たしてゆく

言葉にならずにふり仰いだ

ああ その想いは祈り

美しく甘酸っぱいその声に

切なさで胸が締めつけられる

たまらなく嬉しくて

たまらなく寂しくて

ああ 大切な何かを

私に思い起こさせる

2011/1/20

2011年1月13日木曜日

何かが違う

何かがおかしい
そうではなくて
違う 違う
腑に落ちない
合点がいかない
納得できない
現実味がない
浮いている
浮いている
少し休憩を ください

2010/6/11

イレモノ

ココロが死んだら、人は死ぬんだと思っていた。
永遠に目覚めることのない、人形になるんだと思っていた。
そうではなかった。
ココロが死んだら、人は何になりますか。
教えてください。
教えてください。
教えてください。
教えてください。
ココロが死んだら、私は、人の形をした化け物になります。
だから、私のココロが死んでしまう前に、
こんなイレモノは、壊してしまいます。
だから、私のココロが死んでしまう前に、
一言でいい。
教えてください。
答えを。
真実を。

2010/6/28

2011年1月4日火曜日

機械

色を失くしたグレースケールの世界
荒廃した大地 骸の山

心が死んだ ハズの 僕は
機械のように 人を殺す

しかし

銃口を向けた 彼の瞳が
その澄んだ瞳が
唯一この世の光であったならば
僕は引き金を引くのだろうか

心が死んだ ハズの 僕は
まるで壊れた機械のように
果てなく己に問い続ける


2010/12/16

Piper

道なき道を行く君に

右のポケットから月の光を

左のポケットから星屑を

流した涙は露に光らせ

朝日とともに 祝福の笛を奏でよう

君の歩いたその場所に 新たな道ができるのだから


2010/12/08

ドア

その家にはドアしかない

家ではないと 人は言う
彼らの前に そのドアは 向こう側から鍵がかかっている

ドアではないかと 人は言う
その家を拠り所として 帰り集う我らがいる

その家にはドアしかなくて
そのドアこそが家なのである

扉の向こうに 希望と光と愛がある


2010/12/05

冬夜

ああ 見上げた夜空は

なんという深い深い

いつくしみの色であることか

星々がきらきらと笑う

にぎやかな冬の夜空

なのに

手をのばせば そのすきまから

吸いこまれてしまいそうな

近く 遠き 空

高き 高き 天


2009/12/17

手は 心の鏡です
心をもった 人の行いの多くが
手によって なされるからです

この手でつかんだあなたの手を
けっして離さないでいたいのです
その手を 包むべき小さな手を探して
虚しくさまよう 大きな手があるでしょう

この手でつかんだあなたの手を
けっして離さないでいたいのです
その手を 凍てついたあなたの手を待つ
火傷を負った 手があるでしょう

尊いあなたの手を
離さないでいたいのです


2010/10/25

限りある自由

自由とは

秩序のなかに 在るものである

自由とは

常に責任がともなうものである

限られているからこそ

自由なのである

本当の自由とは

いと高く限りなき 神の御許にある

ストライクゾーン

期待はしてないけれど とりあえず訊いてみる
「夕飯何がいい?」
振り向きもしないで やっぱりこう答える
「何でもいいよ」

とてつもなく広大なようで 本当はピンポイントな
貴方のストライクゾーン

何気ない仕草で でも
最近ちょっとわかるよ

和食にするなら 鯖の味噌煮
中華だったらパリパリの餃子
洋風ならきっとパスタで 明太子よりはペペロンチーノ

思い出したように突然
「あるものでいいよ」
なんて言うから
チョット嬉しくて うん あれにしよう

貴方の笑顔が やっぱり見たいから

2010/08/07

Morning Star -for my friend Peter-

誰も見たことのない 不思議な湖がある

宵の頃の明星に
恋焦がれ
届かぬ想いに 恋破れた星たちが

こぼれ星たちが そこへ
するりするりと落ちてゆく
彼らを迎える そんな湖がある

水面にゆらゆら浮かび
穏やかな風に 波間をたゆたう

疲れを癒し 心を鎮め

暁の頃の明星に
未だ憧憬を抱きながら
天へ還り 朝の空を昇ってゆく

星々だけしか知らぬ 不思議な湖がある


2010/08/07

竹の林で

竹の林で かくれんぼしましょう

隠れても 隠れても ほら

決して見失うことのない

いつまでも変わらない

貴方の後姿がそこに

竹の林で また逢いましょう

空に流るる川の 今宵はゆるやかに

風になびく枝の 青くたおやかに

いま 私のすべてを捧げて

貴方を優しく

包み込みましょう


2010/07/05

2011年1月3日月曜日

Pieces of Hearts ~風の章~

歌いましょう 声高らかに

笑いましょう 最高の笑顔で

どこにいても 君の声は

私の心に届くから

さあ歌いましょう この風に乗せて


金平糖
ココロの欠片。

こんぺいとうを ひとつ ふたつ

空に浮かべる

ほのかに甘い 思い出も

淡く小さな 幸せも

明日の夜空は きっと輝く



ココロの欠片。

君の翼を おろしてごらんよ

ずぶ濡れになって

そんなに重そうに ただひきずっているなら

そしたら君は 身軽になって

高く 遠く どこまでもどこまでも

飛んでゆけるだろう


スピリット
ココロの欠片。

地平線は はるか遠く

砂の大地は 空を目指す

ギターの音は 俺の歌をのせ

君のスピリットを突き動かすのか

太陽に守られて

俺はまた 旅に出る


ヒヤシンス
ココロの欠片。

走ることをやめて

水面みなもを見つめる 君

飛ぶことをやめて

水面みなもを見つめる 君

恋をしたのは 映る幻

君の微笑


読書
ココロの欠片。

窓辺で過ごす 日曜の午前

小春日和

心穏やかなのは

世界のどこかにあなたがいるから

ああ本当は とても逢いたい

もう叶うことのない願い


f・a・c・e
ココロの欠片。

困った顔 困った顔

ド・ウ・シ・テ・?

困った顔

ボ・ク・ニ・ハ・イ・エ・ナ・イ・ン・ダ

届けてあげるから

ほら 笑った顔


月にいる君へ
ココロの欠片。

空を仰ぐ

過ぎ行く時は 刹那か劫か

月がまた欠け 月がまた満ち

立ち待ち 居待ち 君を偲ぶ

届かぬ想い

君はもういない


鳶のプライド ―故郷の鳶へ捧ぐ―
ココロの欠片。

空高く 弧を描いて飛ぶ

はるか太陽の中に

あなたは 守る

孤高の戦士

この輝きを この温もりを

この優しさを


 ―ニンゲン、イナの原点がここにある―
ココロの欠片。

風が強い日は 心が躍る

段々畑を吹き降ろす風と

青く湾から吹き上げる風が

ぶつかる場所に 僕はいる

風は 僕の友達で

風は 僕の兄弟たちで

今も 僕の故郷を

守ってくれていることだろう



ココロの欠片。

この小さな四角い窓の向こうの

四角い空 外の世界

目を閉じて 呼吸いきを整え

思い出す

例えば ひそやかな森の静寂

例えば 潮風の吹く遠浅の海

四角い窓の向こうの 四角い外の世界


朝一番の君
ココロの欠片。

夜が明けて 私は刻を告げる

新しい一日の始まり

冷たい空気と 朝の光を

体いっぱいに浴びて

深呼吸する

私だけの とっておきのごほうび


坂道
ココロの欠片。

ゆるゆると 坂を下る

コンクリートの白い道

ここはかつて 魂の道と呼ばれたところ

この道の終わりを

私はまだ知らない

暖かい追い風に包まれて

優しい気持ちで 歩いていこう

この坂道の 終着点まで


ティータイム
ココロのカケラ。

魔法の紅茶で お茶会しましょ

一日七度のティータイム

貴女が育てた ハーブを摘んで

フレーバーティーを淹れましょう

ホットがいい? それともアイス?

香り強めが 貴女流

いつまでも笑っていてね

ね! お母さん


卯の花腐し
ココロの欠片。

雨が降る 柔らかい雨

アスファルトから立ち上る

熱気と初夏の匂い

傘をたたんで 佇む

帰れない 帰らない

ゆっくりと 振り返って微笑む

ありがとう さようなら


街路樹のわきに
ココロの欠片。

あの道に香る 甘い花の香

なんて可憐な花 君の名前はなぁに?

花はちらりと片目を向けて

またすやすやと眠ってしまう

ああなんて可憐な君 君の名前はなぁに?


追悼
ココロの欠片。

道端に 花を供える

昨日ここで起こったことを知る者は

ごく少ないのだろう

去ってしまったおまえに

ヒトの言葉は 必要ないのかもしれない

けれど

おまえが生きた証を 私がここに残そう

おまえの母が知らずとも

兄弟たちが逢えずとも

私の心に いつまでも残そう

ただ安らかに 今はおやすみ

愛しい小さな 小さな生命よ


渡り
ココロの欠片。

来る者と 去る者が

今年もまた 交錯する

入り乱れたその光景は

しかし秩序正しく 美しい

その小さな身体で

風を見 羽ばたき

海を越え 山野を越え

お前の生きる地球は

丸いか 鳥よ

移りゆく季節

健やかであれ

Pieces of Hearts ~虹の章~

わたし
ココロの欠片。

目を閉じる

小さな小さな 幸せ

小さかった頃の 私

ほんのりと まだ

この胸にあたたかい

あの頃の記憶


woman
ココロの欠片。

大きな夢はあるけれど

誰かに話すほどでもない

未だ見ぬ 過去

思い出せない 未来

いつもより明るめのマスカラ

まぶしい空に 今日も微笑む


崩落
ココロのカケラ。

壊していい? ここにあるもの皆

ぶち壊していい? 私の心ごと

叫んでいい? 張り裂けそうだから

泣いてもいい? 世界が沈むまで

驕れる調べ 無という快楽

帰るところは 地図にない場所


夕立
ココロの欠片。

稲妻が走る 嵐の予感

のんびりやの君は きっとまだ

ぼんやりと空を眺めているのだろう

だから今 迎えにいくよ

おいで 一緒に帰ろう


フライト
ココロのカケラ。

僕は この戦いの結末を知っている

残る者と 滅ぶ者が

一瞬と永遠の秤から

こぼれるように落ちていく

その向こうの 光と闇と混沌に

僕は今 初めて挑む


矢印
ココロの欠片。

あっちむき矢印 こっちむき矢印

ベクトルなんてただの矢印

ああ なのに

君の心のベクトルの向きは

いつまでたってもわからない

追いかけても 追いかけても

僕の頭脳アタマでは追いつけない

奔放な君の n次元ベクトル


眠りの神
ココロの欠片。

眠れない 眠くない いや こんなに眠いのに

眠りたい 眠るのが怖い 夜が暗いうちは

衰えていく ココロとカラダ

苦痛のあまり意識が薄れ

苦痛のあまりまた我に返る

夜が明ける前の ほんの一瞬だけ――

眠りの神に許された僕の眠りは 短く 浅い

それでも今日を生きる

まだ動く 僕のココロとカラダ


眠りの神、あるいは
ココロの欠片。

眠れない 眠りたくない

こんな夜は 言の葉をずっと 紡いでいたい

わずかな吐息とともに

口から漏れる 言霊たち

手の中で 優しくまあるく転がして

私の周りに 浮かべていく

淡いランプの光に しゃぼん玉のように

虹色に光ることはないけれど

ほんわりと ほんわりと

私の身体に 降り積もり

深い眠りへと 誘ってくれるだろう


リンゴ ―走り出したら、もう止まらない―
ココロケラケラ。

文字でできた 俺の身体

凄いぜ なんだってできるんだ

言の葉の 絡み合うままに

凄いぜ なんだって手に入れた

言の葉の 飛び行くままに

すべてを手に入れたとき

俺は初めて 気がついた

自分の身体が スカスカなことに

リンゴの皮でも剥くかのように

次々と文字が散ってゆく

すべてを手にした ひきかえに

俺の存在が 消えてゆく


ワールド
ココロの欠片。

見届けたいものがあるのなら

私はあなたの眼になろう

深い深い海の青い瞳

やり遂げたいことがあるのなら

私はあなたの手になろう

あなたの温かい心の鏡

死してなお生き続けたいのなら

私はあなたの世界になろう

清く澄みきった記憶の泉

Pieces of Hearts ~夢の章~

黒い猫に夢を

白い猫に癒しを

幼き君に あふれんばかりの愛を――


流星雨
ココロの欠片。

星降る夜は お気に入りの傘を広げて

願いは必ず叶うと いつか言った君のために

届け

僕の願い


蓮華 ―親愛なる幼なじみの君へ―
ココロの欠片。

雑木林の向こうに 二人で通ったね

蓮華畑

花を摘み 花を摘み

君の作った首飾りが

僕の心を 紅く染める

狂おしいほどに守りたい

愛すべき 君の笑顔


踊り子
ココロの欠片。

誰よりも高く 誰よりも遠くに

ワンステップ ツーステップ アンド ジャンプ

誰よりも凛々しく 誰よりも優雅に

ピルエット アンド ピルエット

ここに生きた証 あなたに見ていてほしい

私の役は 花と道化師


別れ
ココロの欠片。

本当はずっと あなたを見ていた

痛いほどに 私もあなたを感じていたのに

肝心なことは どうしていつも

最後まで言い出せないのだろう

知らないふりをして この胸に閉じ込めて

非情にも突然に 別れの時は訪れる



ココロの欠片。

好き 嫌い 好き 嫌い

好き やっぱり嫌い

来る 来ない 来る 来ない

来る やっぱり来ない

花という花を 手折っても

やっぱり貴方に 届かない

諦めるものか でも――

一面の花畑の 甘い甘い香に酔いしれて

私の肢体は 崩れ始め

やがて悲しい 一輪の花になる


マリオネット
ココロの欠片。

マスター様 マスター様

ぼくのおててを動かして

あの子が一緒に 拍手をしてくれるから

マスター様 マスター様

ぼくのあんよを動かして

あの子が一緒に 踊ってくれるから

マスター様 マスター様

ぼくのお口を動かして

あの子が一緒に 笑ってくれるから

マスター様 マスター様

ぼくの糸を全部切って

だってあの子はもう 動かないから


ラビリンス
ココロの欠片。

鏡の迷宮を 手探りで進む

ときどきちらつく 少年の影

追いかけては 行き止まり

引き返しては また追いかけ

くすくすと笑いながら

君は鏡をすり抜けてゆく

息を切らして辿り着いた

出口のない部屋で

君の流した光の涙が

僕の心に 突き刺さる


passion
ココロの欠片。

黒 黒 黒いものが欲しい 黒が欲しい

黒 黒 黒い海が欲しい 黒が欲しい

黒 黒 黒い月が欲しい 黒が欲しい

黒 黒 黒い貴方が欲しい その鮮血が

貴方の黒い世界が欲しい

赤 赤 赤いものが欲しい 赤が欲しい

赤 赤 赤い街が欲しい 赤が欲しい

赤 赤 赤い地球が欲しい 赤が欲しい

赤 赤 赤い貴方が欲しい その漆黒の瞳が

貴方の赤い世界が 今 どうしても欲しい


ピアニスト
ココロの欠片。

軽やかに 鍵盤を叩く

弾け 踊る 音色たち

けれど

大地のソナタも 天空のワルツも

君の歌声に 敵うものはないから

世界中に散らばった

君の心を集めたら

いま一度 歌ってくれるだろうか

微笑んだままの 君の抜け殻


先輩へ
ココロの欠片。

貴女に似た女性ひとに 今日 出会いました

募る想いを声なき声で そらに叫んだ 矢先でした

ひとつしかない この命

懸ける覚悟が 決まりました

生きる勇気を与えてくれた

貴女が此処に いたからです

貴女に最上の感謝を 彼女に祝福を

私の行く末を あと少しだけ 見守ってください

貴女に 感謝を


違和感
ココロのカケラ。

違和感

違和感

違和感

そこにあるのは

違和感

まるで

自分の身体が自分の身体でないような

おかしな

違和感

苦しい?

苦しくない

痛い?

痛くもない

ちゃんと動く

でも

私という意識が私という個体から浮いている

心が体を拒絶してるの?

体が心を拒絶してるの?

違和感

初めてじゃない

この感覚

ああ夜が明ける

違和感

違和感

堪え難い

この違和感


ココロの欠片
ココロの欠片。

欠けた星よ

貴女が探している 貴女の最後の欠片は

すでに貴女自身の中にある

だからもう一度 光り輝いて

世界中の ココロの欠片が

貴女に応えて光りだしてなお

この惑星が 失った生命を取り戻すまで

どうか星よ 皆を 導いて

ようこそ

大江唯那(オオエ イナ)の自作詩ブログです。
少しずつ、少しずつ、世界を広げてゆきたいと思います。

どうぞゆっくりとしていってください。