一晩降った雪が ふわりと積もって
日の出とともにみるみるとける
いたるところから聞こえてくる
ほとばしるに近い 滴るの音
豊かな生命力に流れ落ちる雪解けに
私は目を覚ます
水滴の穿つその下に湿った
黒く柔らかい土が
もうじき薫るだろう
目を覚ませ
今日の恵みをいただいた
まだ見えぬ生命たち
2011/02/24
誰もがそれぞれに孤独を抱えていて
その孤独を縒り集めて紡いだ糸を絆と云う
絆の縦と横が織り上げるのは
見たこともない色をした
ときに繊細で
かつダイナミックな
無限の万華鏡の世界である
誰もがその美しい世界に繋がっている
2011/02/19
重ねたくちびるから 吐息と笑みが漏れる
腕に抱きとめられて頬をうずめた
貴方の存在が全てという錯覚
夜毎に訪れる 強烈な自我の否定を
今夜は貴方が溶かしてくれる
不安すぎてつい 腕時計に目がいく
今日だけはどうか
夜は深くて 夜は長くて
この時間が続けばいいと
ただ願いつつ
朝を待つ
2011/02/21
少し見ない間に イイ男になったね?
言ってることは変わらないけれど
背負っているものが 君にはあるから
その手が頼もしいのは 前から知っていたよ?
ただ ちょっとまだ可愛くて
ちょっとまだ可笑しかっただけ
これからどんどんまぶしくなって
君は歩いて行くんだね
見守るその背中が
ちょっと悔しくて 嬉しいな
2011/2/1